NiX JAPAN株式会社 NiX JAPAN株式会社

2015年5月2日

公共事業費減少局面への対処 持続可能な成長を目指して

例年4月は行事が目白押しです。特に今年はM&Aを行いました。前回のブログでご紹介しましたが、東京を商圏とする建設コンサルタント中央技研株式会社の全株式を取得し、100%子会社化を行いました。またNiX JAPANとしても、町田に東京本社を設立しました。これらのM&Aにより、グループ全体の売上高を2億円余り押し上げることになり、約20億円弱 となりました。記事は次の通りです。https://www.shinnihon-cst.co.jp/img/news/2015/04/NiX_PressRelease150407.pdf

次に4月18日には恒例となっている事業方針説明会を全国より全社員を集めて実施しました。27年度の会社全体の事業方針や各部門の事業方針を発表させていただきました。後ほど述べますが、本年度は前年度に比べて全体的な公共事業費が若干減少すると想定されています。例年以上に綿密な事業計画が必要とされています。

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また、経済界の活動として、私が委員長を務めます富山経済同友会地域活性化委員会にて、「まちなかスタジアム構想」の提言を行いました。記事は次の通りです。https://www.shinnihon-cst.co.jp/news/nix_news/20150501.html

記者会見も合わせて実施させていただきました。今後、この構想がどのように進展していくのか、しっかり見守りたいと思います。なかなか難しいとは思いますが・・・・。

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さて、近況報告はこのぐらいにして、最新の政府系建設投資の見通しが、4月22日に発表されました。26年度に比べ、27年度は8%減の18.4兆円余りとなり、4年前の水準になるということです。下に私がまとめているグラフを示しますので、ご覧下さい。150422政府系建設投資

増減額や増減率を示したグラフを下に示します。仮に前年対比8%減とすれば、H18年前後の過激に公共事業費が削減されていた時代と同等となります。スライド1

通常は、この後、9月補正や3月補正の予算が足しあわされるので、たぶん8%減少から3~5%減少程度に落ち着くのではと個人的に考えています。ただし、公共投資、特に地方の公共投資が減少局面に突入したのは間違いなさそうです。

新聞報道などを見ていると、公共事業費が削減されている印象を国民の皆さんは持っていないと思います。なぜならば、年度当初予算が減少していないからです。特に本年度は公共事業費は「0.0%増」と言われていました。正確には0.01%増でしたか?ようは減っていない!ということです。ただし、25年度に組まれた3月の大型補正予算は公共事業費で約1兆円、26年度の3月補正予算は約0.3兆円となりますので、これと地方の予算を加えていくと、年度を通した政府系建設投資額は確実に減少に転じているということです。一方で今後、この傾向が過激に強まることはまずないと考えています。たぶん、この18兆、19兆といったところで今後10年間は調整されていくのではないでしょうか。

さて、このような状況において、企業戦略は様々です。大手企業はやはり国内の建設市場は横ばいであろうということで、海外や新事業での成長を経営計画に謳っています。当然のことでしょう。当社も5カ年の中期経営計画の真っただ中にあり、本年度が2年目になります。この中期経営計画は、このような公共事業費の減少局面や、M&Aによる関東の商圏の取り込みなどを考慮して、本年度より修正を加えており、次の通りとなります。

スライド2

正確には26年度(2014年度)の建設コンサルタント事業規模は図の15億ではなく15.3億なのですが、これを2018年度末に21億円を目指したいと考えています。従来はこの数字が20億円でした。今回のM&Aの効果、かつ地方の公共事業費の減少局面への突入を考慮し、微修正しました。非常に高い目標だとは思いますが、ここでやはり生きてくるのは東京での事業だと考えています。大手企業は当然東京での事業規模はこれ以上延ばすことはできませんが、我々はゼロからのスタートになりますので、より可能性は高いと考えています。大手の成長戦略が国内キープ、海外拡大であるとすれば、我々は地域キープ、関東・関西拡大といったところでしょうか。

スライド1

日本全体で公共事業費の大きな伸びは期待できないものの、地域による発注量の濃淡、および業務分野別の発注量の濃淡は必ずあります。この濃淡をうまく活用して、局所的な市場規模の変化に左右されることが少ない経営を目指したいと我々は考えています。そうなると、やはりある程度の事業規模と広域展開は必要不可欠になってくるのです。当り前過ぎて単純な経営戦略ですが、もっとも重要なことだと考えています。またこのようなことが、技術力を高めていくことに繋がるのです。社員の皆さん、本年度はまだ始まったばかりです。でも次への準備は整いました。中央技研の社員の皆さまと力をあわせて、NiXグループとして共に頑張りましょう。答えは後からついてきます。

プロフィール

市森友明 京都大学博士(経営科学)
技術士(建設部門・総合技術監理部門)

NiXグループ代表、NiX JAPAN 株式会社代表取締役社長。
京都大学工学部卒業・同大学経営管理大学院博士後期課程修了。

大手ゼネコン勤務を経て、2003年に入社。2006年7月から現職を務める。国内社会インフラの計画・設計、都市計画、小水力発電開発、およびインドネシア・シンガポール現地法人にて、再生可能エネルギー事業(水力・メガソーラー)を実施中。

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