NiX JAPAN株式会社 NiX JAPAN株式会社

2019年4月26日

地域経済活性化とNiXの役割について

今回は弊社テクニカルレポート2018の掲載文章をブログ風にかみ砕きました。なおこの内容は、大学の経済学部での講義の材料にもなっていますが、専門性のないあくまで概論としてということで、ご容赦ください。 さて、弊社は地域企業であり、地域社会に生かされています。従って、常に地域を意識した経営が必要となります。地方創生という言葉が使われてからしばらく経ちますが、どのような状況を定義しているのかは、人それぞれではないかと考えます。例えば地方において人口減少が低減される、まちに賑わいが出る、企業の進出が増える、雇用が増える等、様々な状況があると考えます。このような状況を創りだすにおいて、企業は大きな役割をもっており、地域社会に有益な製品やサービスを提供することであったり、所属する社員に給与を分配し、その社員の生活を支えることであったり、または収益から税を納め、その税により運営されている地域社会に貢献していくことであると。このように企業はその役割の一つとしてお金を回すことを担っていると言え、その役割を担うことで地域社会に貢献していると言えます。また新たな資金が回る仕組み、ビジネスモデルを構築することも役割の一つであり、これにより地域に資金の回る新たな経路をつくる、または域外から資金を調達し、地域に回る資金の量を増やす役割を担っているともいえましょう。この活動は一つの地域創生への貢献ととらえることができるであろうし、極論すれば地域が創生されるとは、そのような企業が多く存在している、または増加している状態のことであるかもしれません。 弊社では建設コンサルタントとして、できるだけ地域に資金が回る仕組みづくりを意識しています。不完全ではありますが(ご容赦ください)、下図に示しているような概念です。 Blog1 このような資金の流れがどの地域社会にも存在し、流れが活発であれば、すなわちお金の動きが大きいほど、域内のGDPが大きくなり、地方創生における域内経済が活性化していると表現できるかもしれません。活性化した地域の魅力が高まり、企業にとって投資しやすい環境が生まれれば、域外からの投資、例えば工場立地や商業施設の出店、不動産投資等が増え、地域に循環する資金がさらに増えていくことになります。強い資金の流れを創りだせる企業が多いほど、地域経済はよい状態にあるといえます。 下図も不完全ですが(ご容赦ください)、域内の資金の流れに果たす企業の役割を概念的に示したものです。Blog2 企業は、社会における課題を抽出し、その課題解決に向けた事業のフィージビリティスタディを実施し、その結果をもとに事業の計画を行い最終的には事業に投資をし、収益を得ます。重要なことは再投資を行い、資金を循環していることであり、理想とすれば、その資金量も徐々に増やすことで、地域のGDP向上に貢献していくことでしょう。すなわち企業にとって必要な能力は、事業を生み出す「課題抽出」、「先読み」、「技術力」、「ファイナンス」といえましょう。 弊社の事業活動において、このような役割を担う活動としては、まずは域外の顧客から業務を受注し域内生産することで、域内の資金循環量を増やすということがあります。次に弊社グループが実施している飲食等の小売事業は、域内の企業や消費者が顧客となりますが、新たな資金用途を提供することで、消費者の消費を喚起させる効果を持つこと、さらには雇用をうみだすということにおいて、域内の資金循環量を増加させる効果を持つと言えます。さらに小水力等の発電事業は、域内企業がその建設に携わることで、一時的な経済効果が見込まれますし、発電収入は一般家庭からの賦課金で賄われていますので、実質的には地域の資金循環量を増加させる効果を持つと言えます。 下図に示す(これも概念です。不完全性はご容赦ください)東南アジアで水力発電事業も海外での経済効果のみならず、地域金融機関に融資を活用することで、返済や金利として域外から資金が流入することとなります。特に新興国では今後もある程度高い経済成長率が見込まれ、その事業への貸付は持続可能な高いリターンを得るビジネスモデルとなる可能性があります。 blog3 人口減少時代となり、日本経済が大きく成長しにくい状況の中で、その限られた資源を獲得するべく地域はそれぞれの地域間で競争しなければならない時代になっています。地方創生の一つの状態が地域に資金が回ることであるとすれば、地域に拠点を置く企業の役割の一つは事業活動においてより多くの資金を回すことであると考えます。その手法には様々な形態が存在しますが、地域の経済プレイヤーとしてそれを意識することや、地域に存在していることに誇りを持ち、その地域を活性化したいというマインドを持つことこそ重要であると考えています。また官学産のプレイヤーそれぞれが同じベクトルに向かって活動することも必要であり、お互いに良い関係を構築し、地域の資金循環のことを意識しなければならないとも考えます。 NiXはこれからも地域経済を意識し、新たなビジネス領域をうみだしていきたいと考えます。

プロフィール

市森友明 京都大学博士(経営科学)
技術士(建設部門・総合技術監理部門)

NiXグループ代表、NiX JAPAN 株式会社代表取締役社長。
京都大学工学部卒業・同大学経営管理大学院博士後期課程修了。

大手ゼネコン勤務を経て、2003年に入社。2006年7月から現職を務める。国内社会インフラの計画・設計、都市計画、小水力発電開発、およびインドネシア・シンガポール現地法人にて、再生可能エネルギー事業(水力・メガソーラー)を実施中。

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