2013年2月7日

政権交代総括(その2)。藤井聡・中野剛志に思う。

ずいぶんと間が空いてしまいました。政権交代総括のその2です。

前回のブログにて、今回の政権交代に表題のお二人が深く関与したことは周知の事実ですが、私が知りえる範囲で政権交代までの流れを総括したいと思います。
あくまで私感及び私の回りでの出来事を中心にしていますが、ポイントは次のようになると思います。

・藤井聡先生が民主党への政権交代以来、大学教授の枠を越えて公共事業擁護の言論活動を本格化させた。
→ご本人は民主党の政権交代の日、どこかで釣りをしていたとか・・・。これで日本も終わりだと思ったそうです。
下は2010年6月に日刊建設工業新聞社より出版したものです。まだ業界出版社からの出版でした。

o0500050012405379134

・私塾で藤井先生と経産省の言論人かつ経済に明るい中野剛志さんが出会い、京都大学に藤井研究室の准教授となり出向した。
→これは大きなポイントです。藤井先生はあくまで土木、公共投資、交通、心理学のご専門です。国家経済の理論ももちろんかなりのレベルで理解されていましたが、中野さんの経済学、特に国際経済学の知識が合わさったことはかなり影響が大きかったと思います。

・藤井先生の公共事業必要論と、中野さんの財政政策論が合わさり、強固な経済対策論が出来上がった。
→デフレ脱却と公共投資の必要性がパッケージになり、かつ国債発行の手法やその影響を論理的に解説できるようになった。

・藤井先生は多数の公共事業関係の本を出版し、なかでも2010/10出版の「公共事業が日本を救う」は一時週刊ベストセラーになるなどかなりの影響力を発揮した。
→これはかなりのインパクトでした。またこの題材で全国で講演活動を実施されました。

o0500050012405376858

・東日本大震災が発生し、直後に国会の予算委員会で日本復興5ヶ年計画を提唱した。そして直後に「列島強靭化計画」を出版し、ここで初めて強靭化というフレーズが、キーワードになった。
→これも大きなターニングポイントです。東日本大震災がなかったら政権交代もなかったかもしれません。
2011.3.22 緊急提言 日本復興計画「東日本復活5か年計画」と「列島強靭化10年計画」 http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/images/stories/PDF/Fujii/201101-201106/presentation/20110525fujiilab_plan.pdf
2011.5出版 「列島強靭化論」

o0500050012405392600

・京都の西田参議院議員が自民党へのパイプ役となり、藤井先生を自民党本部の勉強会や、国会の公述人として登用し、自民党内での支持を得ていった。
→前代未聞の公述でした。動画を見た人は、一様に驚かれます。
2011.6.16 参議院東日本大震災復興特別委員会
2012.2.22 参議院国民生活経済社会保障に関する調査会
2012.3.22 参議院予算委員会公聴会
以上は下記HPで動画が見られます。
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/

・2011年10月、自民党内で、二階先生を会長とする国土強靭化総合調査会が設立され、藤井先生の強靭化理論が党内にさらに浸透することとなる。
→第一回目の調査会で講演をしています。この調査会がアベノミクスへとつながっていきます。
http://www.jimin-wakayama.jp/seisaku-vision001/seisaku_vision001-101.pdf

・公明党でも勉強会を通じて浸透し、後に選挙公約となる防災減災ニューディール政策に繋がっていく。
http://www.komei.or.jp/campaign/nipponsaiken/ig/nd.html

・2012年6月、公共調達のあり方を問う、「コンプライアンスが日本を潰す」を出版
→過度な価格競争は、デフレを悪化させるといった内容。行き過ぎた構造改革や規制緩和に警笛を鳴らした。

o0300030012405418632

・2012年2月 「救国のレジリエンス」列島強靭化でGDP900兆の日本が生まれる を出版
→ 公共事業が日本を救うの内容に、デフレ時の経済理論が合わさった内容となっており、今回の自由民主党の政策のほぼ基本になるものである。

o0400040012405424287

以上のような活動に加え、産経新聞の正論をはじめとした言論活動、インターネットテレビの出演、講演会などで、広く世の中に積極財政による経済対策が浸透していくようになりました。
当然のことながら、自民党の西田先生を通じて、その考えは元々積極財政派の麻生さん、そしてそれほど積極財政派でない安部さんにも大きな影響を与え、次期選挙の政権公約に発展していったということです。その1で申し上げましたように、石破さん、石原さんは、それほど理解を示していなかったので、安部さんが総裁になるしか道はなかったわけであります。
そしてその後の選挙における自民党の政権公約、政権交代後のアベノミクスへとつながっていくわけであります。
投票日の3日後の12月19日、藤井先生は自民党本部に招かれ、安部総裁(当時)から内閣官房参与への就任要請を受けます。
その時、「経済論については、藤井先生の考えを大いに参考にした。」との言を安部総裁より賜った。とのことここまでの様々な方の努力、そしてその努力を結びつけた偶然を考えると、アベノミクスが成功することを一日本人として心から願ってやみません。

プロフィール

市森友明 京都大学博士(経営科学)
技術士(建設部門・総合技術監理部門)

NiXグループ代表、株式会社新日本コンサルタント代表取締役社長。
京都大学工学部卒業・同大学経営管理大学院博士後期課程修了。

大手ゼネコン勤務を経て、2003年に入社。2006年7月から現職を務める。国内社会インフラの計画・設計、都市計画、小水力発電開発、およびインドネシア・シンガポール現地法人にて、再生可能エネルギー事業(水力・メガソーラー)を実施中。

道路維持管理クラウドサービス「みちクラ」 道路維持管理クラウドサービス「みちクラ」