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下水道施設長寿化計画

既存施設有効活用による、北陸初の先進的なプロジェクト

下水道施設長寿命化計画とは?

当社の携わった業務を例に挙げますと、富山県射水市の新湊地区では下水道整備開始から35年以上が経過し、その修繕費用や維持管理費が市の財政を圧迫している状況でした。 そこで、長寿命化と耐震化、さらに減災対策の機能も向上させるため、既存情報の調査、将来の劣化予測に基づく修繕、改築実施計画、ライフサイクルコストの最小化についてまとめた長寿命化計画を策定させていただきました。

まず、TVカメラ調査の判定結果などから不良発生率に基づくスパン全体の劣化ランク及び、腐食・たるみによる劣化ランクの判定を行います。その劣化診断に基づき、改築措置の要否と改築の範囲や改築施工法について検討します。各スパンごとに劣化の内容や程度、施工環境を踏まえて決定するのです。そして施工法別にライフサイクルコストを計算して、年次費用の安価な工法を選定します。

その結果、「長寿命化対策を行った場合」と「布設替えや推進工といった既往手法により更新した場合」とで比較すると、「毎年度改善額」や「LCC改善額(現在価値)」で対策による実施効果が得られました。これにより、トータルコストの縮減に繋がったと考えられます。

弊社の統合情報系グループと共同で「下水道長寿命化支援システム」を開発しました。 管路の点検調査記録や維持管理状況等のデータを蓄積し、分析、劣化予測することによって下水道資産の有効活用を図ることができます。

今後はこの下水道長寿命化計画に基づき、下水道施設の維持管理、延命化、改築更新を総合的にとらえ、データベースを活用したより精度の高いストックマネジメントを進めていけるものと思います。

また、下水道施設の老朽化は、管路施設よりも中継ポンプ場やマンホールポンプ施設のほうが耐用年数が短いためこれらの長寿命化を早急に進める必要があります。

弊社でも、福井市や小矢部市の中継ポンプ場の長寿命化計画や長寿命化詳細設計を策定中であり、これらの設備関係についてもストックマネジメントシステムの構築に展開する予定です。

公共交通利用率
「住みたくなるまちづくり」を支援していきたい。

下水道長寿命化に対する想い

富山県の下水道普及率も80%近くに達し、下水道は、今では当たり前のものとして普段は目立たない存在となっています。しかしながら、東日本大震災のような非常事態が起こると、改めてその重要性が認識されます。 下水道は、人が暮らしていくにはなくてはならない施設であり、その機能を利用者に常に提供するには、適切な維持管理が欠かせません。 また、災害に強い街づくりを目指すには、下水道の耐震化、あるいは、減災化が図られている必要があります。 金沢市のある中継ポンプ場では、敷地条件の厳しいなかでの耐震化を提案できたように、今後とも様々な自治体様で弊社の技術がお役に立てればと思っています。

下水道施設長寿化計画
  • 佐中光夫
  • 下水道や上水道などのインフラ整備、また洪水や土砂崩れといった自然災害から住民を守るための防災事業など主に水環境に関わる計画設計を担当。
  • 昭和23年 鳥取県出身 愛媛大学農学部農業工学科卒業