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ゲリラ豪雨、洪水予測に挑む

浸水被害軽減に向けたXバンドMPレーダ利活用共同研究事業

ゲリラ豪雨の多発によるXバンドMPレーダの開発

近年、市街化の進展やゲリラ的な局地的集中豪雨に伴い、浸水被害が頻発してきており、人命や個人財産、都市機能に甚大な影響を及ぼしている。

このような現象は、日本全国での深刻な問題であり、富山県においても例外ではなく、早急の浸水被害の軽減・解消が求められている。

国土交通省では、このような水害に対し適切な水防活動を行うため、平成22年3月までに3大都市圏等(関東、北陸、中部、近畿)に11基のXバンドMPレーダを設置し、試験運用を開始している。Xバンドレーダによる降雨情報は、アメダス等のCバンドレーダよりも高精度(250mメッシュ)な観測が可能であり、近年の集中豪雨対策に大きく貢献すると予想されている。しかしながら、この情報は、インターネットで試験的に公開配信されているものの、その情報を如何に取捨選択し、該当する公共機関や市民、県民へどのように伝達するかなどのソフト的施策への適用方法が確立されていないのが現状である。

XバンドMPレーダは従来型に比べて次の改善点が見込める。

・従来型よりも高精度に雨量を観測できるため、降雨の予測精度を高めることができる。

・観測メッシュが250mと細かいため、小流域にも対応でき、きめ細やかな洪水解析を可能とする。

このように従来型よりも高精度な情報提供を可能とすることから、このXバンドMPレーダを活用した降雨・洪水予測システムの研究開発に着手した次第である。本研究は、XバンドMPレーダ研究の第1人者である神戸大学都市安全研究センターの大石哲教授と富山市及び新日本コンサルタントの共同研究事業であり、平成23年6月より取り組んでいる。

XバンドMPレーダ
「住みたくなるまちづくり」を支援していきたい。

研究の目指す成果

本研究では、洪水予測モデルの構築及びその精度検証、同モデルの活用方法について検討することを目的とし、主な目指す成果は以下の通りである。

・突発的なゲリラ豪雨に対応した「降雨予測モデル」の構築
・水位及び降雨観測を実施し、精度の高い「流出解析モデル」の構築
・洪水予測情報の伝達システムの構築
・雨水貯留地・ポンプ場等の効果的運用システムの構築

このシステムが実用化されれば、その地域に降雨が到達する前に浸水被害の予測情報(規模・範囲等)を伝達することが可能となる。そのことによって、地域住民がいち早い避難・防災活動を実施することができ、少しでも被害が軽減できると考えられる。また、二山降雨が予測される場合には、事前放流や水門の開閉等、雨水貯留地・ポンプ場の運用面についても活用することができる。

ゲリラ豪雨、洪水予測に挑む
浸水解析シミュレーション