株式会社新日本コンサルタント 社長ブログ NiX活動記

2015.08.26

人口減少時代における建設コンサルタントの経営を模索したい

27年度も第二四半期を過ぎようとしています。この27年度、弊社には実は様々な出来事がありました。4月の中央技研子会社化や9月での吸収分割、4月の東京本社、多摩支店設立、9月予定の東京本社移転、3度目の正直でのJICAインドネシア中小企業海外進出事業の採択、個人的には富山市環境未来都市でのマレーシアやミラノへの渡航などですか。その中でも、ご存じの方はいらっしゃると思いますが、5月に開場した弊社設計のボールパーク高岡のファウルボールの問題が、一番の出来事でした。弊社の打球に対する想定が過少だったために発生した問題でしたので、全面的に弊社の責任で対応させていただくことになりました。本ブログを更新できるのも、その対応がようやく終息に向かう段階になり、社会的責任からの広報の自粛体制を徐々に解除しているところであるからであります。ご関係の皆様には、大変ご迷惑をお掛けし、また対応においては大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。

さて、タイトルにある「人口減少と建設コンサルタント」ですが、弊社が年に1回発刊する「テクニカルレポート」における今年の私の投稿であります。まだ発刊前ですが、以下に内容を一部ご紹介して、本ブログの更新に変えたいと思います。要は人口減少の主要因が東京一極集中であり、建設コンサルタントの社員も東京一極集中であると。今後は地方への分散も必要ではないか?という内容にしてみました。如何でしょうか??

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー以下テクニカルレポート本文より一部を抜粋

2.東京圏一極集中による人口減少

(1)出生率が低い東京圏

人口減少によってGDPが低下し、税収が減少していくことになれば、公共事業費やインフラ整備量の減少を招くことになる。筆者は経済団体である富山経済同友会で人口減少問題を取り扱っている責任者である関係で、先日「地方消滅」の著者である元総務大臣の増田寛也様をお招きし、お話をお伺いする機会に恵まれた。その際の出生率に関する都道府県別データを表-1に示す。

ご覧のように、日本の平均出生率「1.42」に対し、富山「1.45」、東京「1.15」となり、富山の出生率も決して高くないものの、深刻であるのは人口が集中している東京の出生率の低さということが示されている。

(2)東京の人口集中は先進国の中でも異例

では東京にどの位人口集中しているのか、主要先進国の首都の人口シェアの推移を図-1に示す。

世界の中心都市の中で東京の人口一極集中の激しさが示されてる。1950年代はパリやロンドンと変わらないシェアであったが、高度成長期やバブル経済期を経て、急激に首都圏への人口集中が進んでおり、2000年代に入ってもその傾向は続いている。すなわち、先進国でも異例となる、出生率が低い首都圏へ人口集中していることが、日本の人口減少の大きな要因になっており、東京一極集中の是正は急務であると言える。

3.建設コンサルタントの東京圏一極集中

(1)人口集中よりも高い技術者の一極集中

図-2に建設コンサルタントの東京圏への集中度を示す。ご覧のように建設コンサルタント協会加盟企業439社の全従業員(65,824名)の実に「50%」が首都圏で勤務しており、日本全体の東京圏への人口集中(2010年29.2%)より過激である。また本データは建設コンサルタント協会加盟企業に限ったものであり、非加盟の中小零細コンサルタントを含めると、さらに集中度が高まると想定される。

これらは東京へのインフラ整備の一極集中と無関係ではなく、さらには大規模な設備を必要としないサービス業の特性も寄与していると考えられる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上抜粋

本年度このような内容になります。あとは、建設コンサルタントの東京一極集中にどのような問題があるのか、コンサルタント技術者の地方分散が何故必要なのか、ということをまとめてみました。一カ月後に発刊、HPにアップされますので、是非ご覧ください。しかし、建設コンサルタントの社員分布ですが、多分日本の人口分布より東京圏に集中しているのでは??との想定の下、データをまとめたのですが、ものの見事にそうなっていることに、若干の驚きを感じました。弊社は地方に本社がありますが、東京にも拠点があり、ローカル企業と東京圏企業の両方の要素を持っているといえます。エンジニアとしての人材は明らかに東京圏が豊富ですが、オフィス環境、費用、住環境では地方に分があります。マーケットは東京圏が圧倒的に大きいですが、競争性が激しくその点地方はある程度ローカル企業は守られています。ようは一長一短という言い方もできますが、私自身別の者、すなわち経営の仕方が違う、もっと言うと別業界であると思っています。弊社は数少ない、ローカル&TOKYO企業としてこの環境を活用し、今後の建設コンサルタントのあるべき姿を模索していきたいと考えています。

さて、このように今回人口減少問題を取り上げた経緯は、私が富山経済同友会で人口減少問題に関する委員会の責任者(いわゆる委員長)を務めているからでありますが、人口減少は我々地方コンサルタントの今後の経営にとって大きく影響する社会情勢の変化です。多分今後、地方のコンサルタント会社数の減少は避けられないでしょう。技術者全体数もそうかもしれません。そのような状況において、先述したように企業経営と技術者の立ち位置をどのように模索していくか・・・・、まさに自問自答の投稿かもしれません・・・・笑。

さて、27年度も半分が過ぎ、弊社は決算に向けてラストスパートです。子会社化した中央技研の業績も順調であり、この9月に吸収します。新卒採用も予定通りの内定者数を確保することができました。ボールパークの一件も落ち着きつつありますので、年度目標達成に向けて、少しモードを切り替えて努力したいと思います。

新日本コンサルタント 代表取締役社長 市森友明

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市森友明

  • 株式会社新日本コンサルタント代表取締役社長。京都大学工学部卒業後、大手ゼネコン勤務を経て、2003年に入社。技術部長などを経て2006年7月から現職を務める。
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